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田母神俊雄が獄中で考えた。本当の“保守”とは。

田母神俊雄が「獄中ノート」で記した「日本の敵」論考 第2回

日本の防衛産業を弱体化させ
血税投入して「アメリカ」を守るバカ

 田母神は防衛の「現場」で日本という国家が「自主独立」とは、ほど遠い立場にあることを痛いほど知った。
「自主防衛のための主力兵器(主力戦闘機)の国産化という道を、アメリカとの共同開発という形で断念したんだよ」と田母神は悔しそうに当時を語る。そして、それは自主独立への道が遠のくと同時に、保守派でタカ派の代表格であった中曽根康弘元総理大臣の「鶴の一声」でなされたことだった。

「アメリカへの忖度もあったんでしょう。ただ残念なのは、日本の税金を自国の防衛産業の育成でなく、アメリカの兵器産業にバラまいた。さらにアメリカの技術を介さないと日本の防衛が立ち行かなくなる問題もある」

 田母神は、先に日本派保守が少ないことを述べたが、特に日本の敵として立ちはだかる「アメリカ派保守」の存在は、極めてこの国の70年前の敗戦と憲法とも絡まり根強いのである。
 獄中ノートにもこう記されている。

次のページノートに書かれた田母神の憂い

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田母神俊雄

たもがみ としお





1948年、福島県郡山市生まれ。



71年、防衛大学電気工学科(第15期)卒業後、航空自衛隊に入隊。



地対空ミサイルの運用幹部として部隊勤務10年。



統合幕僚学校長、航空総隊司令官などを歴任。



2007年、第29代航空幕僚長に就任。約5万人の空自トップとなる。



08年10月31日、民間の懸賞論文へ応募した作品(「日本は侵略国家であったのか」)が



政府見解と異なり、幕僚長を更迭。



同年11月3日付で定年退職。



その後は執筆・講演活動で活躍しながら自らの信念を実現すべく政治に参画。



14年2月9日、東京都知事選挙に立候補するも4位落選(61万865票)。



同年12月14日、第47回衆議院選挙に立候補し落選。



16年4月14日、「2年前」の都知事選における公職選挙法違反容疑で逮捕。



検察の厳しい取り調べを受け、東京拘置所に勾留169日間。



「無罪」を訴え、法廷闘争を繰り広げる。



17年5月22日、東京地裁にて有罪判決。



同年6月2日、東京地裁の判決を不服として東京高裁に控訴。



著書に『自らの身は顧みず』(WAC)、『田母神塾』(双葉社)、



『田母神大学校』(徳間書店)、『田母神俊雄の戦争論』(電波社)など多数。


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